久々にすばらしい図形を観た・みえた・鳴った・響いた・・・・。
指揮者:大野和士
きせつなふうけい,, 寒空に,夕焼け雲+新月直前な月 冬・年末なコントラスト |
時間のりしろあんまり付けられず,ちょっと渋滞気味と思いつつも,日ごろの渋滞回避な感でするするっと着けた!^
メタセコイアも落葉直前 |
都響スペシャル「第九」
会場:サントリーホール
指揮:大野和士
ソプラノ:天羽明惠
メゾソプラノ:小山由美
テノール:市原多朗
バリトン:堀内康雄
合唱:東京オペラシンガーズ
- Brahms, Johannes (1833-1897): Alt- Rhapsodie
- Beethoven, Ludwig van (1770–1827) :Symphony No. 9 in d Minor "Choral"
音楽:期せずして?いや,たぶんそうしたと思うのだが記憶が・・・Cb上の指揮者バッチリみえる側席へ。相方殿は仕事都合で1曲目パス。舞台は非常にコンパクト,合唱ボリュームは大丈夫なのかと少し心配に。Brahmsは,バスなど少し音程が難しいのかな〜といった響き。それはそうと,後半から大野図形炸裂・・漢字表現は不適切だが,とにかく音楽をつむぐ図形が続出,,これですよ,久しく観ていなかった図形。木管への指示(指でチョイチョイ)が,なんか不自然に思った・みえた・・・後の第九でなるほど。そのまま弓にも取り入れたいような脱力と音楽ポイント図形にちょっとおどろきつつも,「これだ」と妙に合点。第九が楽しみと久々のワクワク感。一曲目観れなかった相方殿に,勝手に同情する心境。
15分の休憩挟んでの第九。当初は休憩無しだった模様。この公演シリーズ最後の夜で変えたのかな? 丁度よいインターバルでよかた。
さて第九,とにかく超コンパクト図形,ゼロ図形,極大表現図形と,なんとも多彩。くみ上げのようなそして横に漂わせる図形は,Abbadoのよう。ひらひらと振動する棒は,Gergievのような。真似して取り入れられていることは決して無いだろう,,結果として世の巨匠の図形の域に行ってしまっているのでは。その図形の意味がよく分かった・みえた。そして目力合図が加わって,オケ圧倒な感じ。とにもかくにも,出したい音・音楽・響きを図形主義で徹底的に視覚化されたようで,見る方が圧倒された・吸い込まれるように疲れた。たぶん文字通りこの公演最後・今年最後の都響演奏会なのだろうと思われる,,この最後の最後で大野氏,都響を試したんじゃなかろうか。
最近の都響の演奏では観られなかった(きこえなかった)ような,オケ性能を,都響自身が発揮。やれば出るんじゃないと思わせるほど,全音楽回路・装置フル回転。昨年聞いたCbの物足りなさも少し吹っ飛んだ。しかし,第九での3,4カ所で,特に木管・2ndVln中心とおもわれる音楽時間のずれ,,とくに木管Ob中心に音楽ピントズレで残念ね,,,音楽的に向かってくる・指揮者に対峙する程度が低かったのだろう,さきのカモンカモンなチョイチョイ指の不可解の意味が解けた(第九最後の最後のピッコロ独断アタックもきこえないし,今は木管が弱点な都響,,,Fgは良かったよ〜)。 非常に鋭いテンポと,「振って上げないよ」的なゼロ図形に,オケ完敗だろうか。他のこの公演はどうだったんだろうなぁ。日ごろの縦に合わせる図形になれてるせいなのだろうか。オケ自身が動き出さなければいけない,オケのTutti力が試される。反面,Recitativo,もう椀飯振る舞いの大図形で提示。ん〜どうとらえるべきか。図形見せてもらった方としては,とても「ありがたや」に尽きる・みえる音楽,,Cb弾きとしては,そこまで振らないとできなかったのかなとも勘ぐってしまったり,,でも結果はすばらしいRecitativoになっていたのでよかったのかな(たぶんもっと挑戦的な音楽を,マエストロへの対峙を要求されていたんじゃないだろうか,結果は中ぐらいなできなのかな,,大野氏の要求は「再現芸術として今を超えろ」だと思ったが)。その後のテンポは非常に鋭かったので,マイ好みではなかったが,「新しい第九」を聴いた感覚を得られ,すこし見方が変わってよかった。
4楽章冒頭の図形によくある,「結局何振ってるんだかわからねぇ」とは全く違う事が象徴するように,難曲にもかかわらず星の数ほど演奏回数をこなす第九では,オケがきっとスルーしてきた事がぜ〜〜んぶ図形化されたことで,都響の性能を全部発揮しても,結局足りなかったというオケ完敗な演奏だったかもしれないなぁ。よい演奏なんだけど,負けてるみたいな,妙な感想。やべっちがあんなに目力持って観て,フォローバックに弓を構える様子からも,演奏家を奮い立たせる図形だろうなぁと,見る方も,両方の動きに魅了される。結果として1stVln全体が後ろまでしまっていく様子は圧巻。反面Vlaのトップが暴走気味に一人で息巻いて音程も音色も浮いてしまっては,大野氏への音楽返礼としては役目を間違っているようにみえた・きこえた。それもこれも,音楽の試しゆえのことだろうし,こんな批評ができるなんて相当高度な演奏で幸せだ。いずれにしても日々こうであるべきなんだろうよ,プロ興業なんだから。これができていれば,救済の寄附なんて集めなくともチケット買って定期的に行きたいと思うのだが。
そう,合唱。SUNTORYHALLステージ上の最後列に男女一列ずつの2列という少人数(結果的にこれで十分,いや十二分)で,ボリュウム大丈夫なのかとおもった事が,文字通り聴く側・無用な邪推が「ぶっ飛ばされた」演奏。日本人もこんなに歌えるんだなとおもた。合唱には大拍手。オケには,やればやっぱりできるんじゃない拍手。マエストロ:大野には,感謝の拍手。
観て・聴いた,今年の締めくくりにぴったりのコンサートで,よかった。
今後も記憶に残る二つ目の第九演奏会,まさしく刹那で,今宵一晩再現された芸術では。
Cf. マエストロだけのカーテンコールもあって,BPhの時に自然に叫んだブラボーよりさらに自然にブラボー叫ぶスペシャルな時の終わりに。
今後の大野和士vs都響 に注目。
2012年6月都響公演:
19:00 | 第737回 定期演奏会Aシリーズ会場:東京文化会館 指揮:大野和士 ヴァイオリン:庄司紗矢香
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